DMG森精機(タイランド)
工作機械(マシニングセンタ、数値制御装置付旋盤及びその他の製品)の販売・サービス
世界トップを目指す
日欧連合が進めるグローバル戦略
工作機械業界の御三家と呼ばれるDMG森精機。多くの製造系サプライヤーが集積するタイの地は、同社にとっても最重要拠点の一つ。工業団地が隣接するアユタヤを拠点に、金属ワーク(材料)を丸く削る旋盤や工具交換機能を持つ加工機MC(マシニングセンタ)、両機能を兼ね備えた複合加工機などの販売、アフターメンテナンスを手掛ける。
同社は、これまで自らが持たない技術を保有する工作機械メーカーや関連企業とのM&Aや提携を果たし、さらなる製品の生み出しに成功してきた。業界を最も驚かせたのは、欧州最大手のDMG(ドイツ・ギルデマイスター)との資本・業務提携だろう。2013年には社名を統一し、共同生産・販売・調達を行っている。「世界中どこでも製品供給できる体制が整います」(ポンナロン・セールスダイレクター)。日欧連合のシナジーは、タイ市場においても奏功している。1995年(当時森精機)の現地法人の設立以降、約3500台の販売実績を積み上げ、好調を維持。「お客様にとって一番の工作機械メーカーになること」(同氏)を掲げる。相乗効果は思わぬ部分からものぞける。白と黒のモノトーンで統一され、丸みを帯びた曲線が特徴のデザインは、工作機械の既成概念を破る。新生“DMG森精機”の真価を発揮させたのが、「CELOS(セロス)」と呼ばれる、タッチパネルを採用したマルチタッチ式モニタで簡単操作を可能にした新オペレーティングシステムだ。シナジー効果は、世界戦略に確実な手応えを伝えている。