待たれる発効。しかし未だ反対の声もあり…
現政府の目玉政策でもある東部経済回廊(EEC)。政権交代後も同政策が継続されることを明記したEEC法案が、国民立法議会内の委員会で審議が止まっていることが分かった。本来の審議終了予定日は昨年11月26日。しかし同委員会は同月9日の時点で60日の検討期間延長を申請し、さらに今年に入って30日の延長が申請されていた。
EECの現状は、工業導入促進地域として承認されたのが21カ所、1.31兆バーツの投資が見込まれている。ドンムアン、スワンナプーム、ウタパオの3空港を繋ぐ高速鉄道のプロジェクトは2月中に実施要項(TOR)が完成し、7月には開発する民間企業が選定されることになる。レムチャバン港の拡張工事は分析調査が6月を目処に終了する予定で、4月中にTORが完成予定のマプタプット港も6月までに民間企業を選出——と、同法案の発効を待つばかりだ。
ウィサヌ副首相によると、同法案は7度の世論調査、内閣で3度の検討を経ており、各12省からひとりずつ委員も選出されているという。工業連盟のチェーン総裁は、「発効が3月以降にずれ込めば、投資機会の損失に繋がりかねない」と苦言を呈す。最も法案の発効を待ちわびているであろう経済担当のソムキット副首相は「2月中に終わることを信じている。その後は順次発効していく」と、“EECの重要性”と銘打ったセミナーでコメントした。
対して同委員会は「同法案の発効が人々に与える影響は大きく、内容も複雑なため慎重に検討する必要がある」と説明。一部報道機関は、埋め立てによる環境破壊や同委員会が投資恩典授与の権利を持つこと、この政策自体が本当に国内企業の利益に繋がるか疑問であり、未だ説明が不十分という周辺住民の声を伝えている。
こうした状況の中、財務省クランヤー広報担当は「EEC法案発効によって、今年のGDPは3.8から4.2に成長する」と後押しするものの、掲げた青写真が単なる大風呂敷に変わらないよう、祈りたいものだ。