経営を揺るがす!? 工場“臭気”
プロが調査・対策の一気通貫サービス展開
エレクトロニクス商社や化学工業薬品メーカーとして名を馳せる「伯東」。
一方、タイ現地法人の「伯東タイランド」では現在、「臭気対策」のワンストップサービスに力を入れている。
身の回りの“臭い問題”を解決していきたい
「タイに赴任した当初から、公園やゴルフ場の池、地下駐車場の臭いが気になっていました。身の回りの“臭い問題”を解決して、一人でも多くの方にタイを好きになってもらうお手伝いをしていきます」と話すのは、津國貴裕マネージングダイレクター(MD)。
タイ環境省公害管理局が策定した工場の臭気排出基準に基づく臭気規制が近年強化され、工場における“臭い”対策の需要が高まっているのだという。
最悪の場合、操業停止も
たかが“臭い”と侮るなかれ。同社によると、経済成長が進むタイにおいては、工場の隣に大型マンションが建設され、突如工場の臭気対策を求められることもあるという。
また、隣地の工場からクレームが来たり、従業員の健康診断費用の負担を強いられたりする場合もあるとのこと。
これらのケースでは、直接的な金銭負担に限らず、最悪の場合、操業停止にまで追い込まれ、多額の損失に繋がる可能性もある。
こういったリスクを避けるべく、大手企業の多くが「伯東タイランド」に臭気対策を依頼している。それは同社が臭気の原因調査から、調査結果に基づく判定、そしてその対策まで一貫したサービスを展開しているタイで唯一の企業だからだ。
プロが現地まで足を運び臭いの発生源を特定
「臭いの発生源はどこか、どこまで対策すれば十分かを判断するのは、プロでないと難しいでしょう」と津國MD。
同社はタイ人臭気判定士と日本人スペシャリストが現地まで足を運び、臭いを定量的に測定するため、必要十分な対策を施すことができ、2013年からタイで臭気対策事業を開始し、既に100社以上の実績を持つ。
「日本人とタイ人では臭いの感覚が異なることがあります。臭いでお困りの際は、ぜひともお声がけください」と津國MD。
環境にやさしい新製品を投入
「コールドプラズマ脱臭装置」
同社では、2023年に「コールドプラズマ脱臭装置」をリリース。悪臭成分を直接分解し、オゾンが持つ特有の酸化作用を利用して強力に脱臭する。その脱臭効率は90%以上と極めて効率が高いのが大きな特徴となっている。
動力には電気のみを使用することで高いメンテナンス性とともに優れたランニングコストを実現。システムを稼働させる際に燃料や薬品を使用せず排水などの廃棄物が発生しないため、環境保護に対しても大きなアドバンテージとなっている。
臭気管理の自動化を実現
定点式におい観測システムLIMOS
昨年から販売を開始した「定点式におい観測システムLIMOS(リモス)」はセンサー測定部を工場や施設の敷地境界など屋外に常設し観測する装置。
測定データをリアルタイムで集約し、臭気強度を数値化してくれる観測装置で、タイ国内でも導入実績を積み上げてきた。
利用する顧客から「臭気管理を自動化したい」という要望に答え、同装置に自動管理システムを搭載。「24時間リアルタイムで監視ができ、定点式なため広域エリアをカバーできる」と大変好評だ。