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「圧着端子」の“パイオニア”
業界トップシェアの信頼とサービス

電気と機器をつなぐ「圧着端子」「圧着スリーブ(絶縁被覆)」のパイオニアとして知られるニチフ。圧着端子は電気を使用する機器には不可欠な部品であり、発電所から家庭まで、さまざまな機器に使用されている製品だ。

1941年に大阪市大淀区本庄に日冨ターミナル製作所を設立し、銅管端子の製造を始める。以来80年以上にわたり専業メーカーとして製造・販売を手がけ、業界トップレベルのシェアを誇るまでに成長した。

その後は、国内のみならず世界をフィールドにアメリカ、シンガポール、オランダといった海外拠点を設け、グローバル化を進めることで世界シェアを拡大させている。

タイに拠点を設けたのは2018年。それまではシンガポール拠点が管理し、販売は代理店に任せてきたが、タイや陸続きで繋がるカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムといった新興国の発展により、タイから陸ASEANへの市場拡大を狙う。

とはいえ、タイや隣国には中国製の安価な圧着端子が入るなどライバルも多い。そんな中、同社の現地法人「NICHIFU(THAILAND)」で陣頭指揮を執る川上聡史ダイレクターはこう話す。

「圧着端子は消耗品でもあり、多種多量に必要とされますが、廉価な材料で製造された端子は不安定な電圧の抵抗ですぐに劣化します。それを踏まえ、製造メーカーの中には自社製品の悪さを知っていて、例えば100個注文を受けた時に粗悪品が混ざっていることを前提として110個納品するメーカーもあるほどです」。

また、圧着端子は専用の圧着工具により接続されるが、新興国では作業員の接続ミスにより、様々な不具合も起きている。

多くの現場を周り、自らも顧客の作業員を指導する川上ダイレクターが、「不適正な圧着工具を使用し、焼損事故などにつながるケースもあるんです」と話す通り、圧着方向の間違い・圧着位置のズレ・圧着歯口の間違いなど、現場作業員による人的ミスも起きているという。

そこで、同社では圧着端子のスペシャリストによる出張指導も請け負っている。「品質の高い圧着端子を正しい付け方で使用すれば、事故やミスを防げ、結果的にお客様の製品・サービスの品質や信頼を高めることにつながるはずです」(加賀SM)。

①電線と端子と工具の関係▶詳しく解説

②圧着加工の手順▶詳しく解説

③圧着工具の種類▶詳しく解説

圧着端子一筋で、日本で得た信頼はタイでも着実に広がっており、現地法人立ち上げ以降、「ニチフがタイにある」との触れ込みで受注増が続いている。在庫も常時約1000種類の端子を用意し、短納期を実現。「日夜、リードタイムの短縮に尽力されているお客様の現場を待たせるわけにはいけませんから」(川上ダイレクター)。

まさに「たかが圧着端子。されど圧着端子」。パイオニアとしての確かな技術と経験に裏打ちされた品質に加え、きめ細かいサービスを武器に「ニチフ」の快進撃は始まったばかりだ。



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