日立メタルズ(タイランド)
高級金属製品、磁性材料、高級機能部品、電線材料の製造販売
日本と同じモノ作りをタイでも
加工時間短縮の高性能工具を生産
日本有数の鉄鋼金属メーカー、日立金属の100%出資タイ法人。1991年に進出し、アモルファス応用部品、精密鋳造部品、車載部品(センサー、ブレーキホース)などの生産を行ってきた。切削工具については、2012年製造に着手。高い技術に裏付けられた超硬エンドミル、超硬ドリル、ツール特殊品などを生産し、約3割がタイ国内向けで、残りは日本と東南アジアに向けて出荷している。15年の総売上高は、100億バーツ台を目指す。
「日本と同じ環境でモノ作りができる。そういった顧客のニーズに応えた質の高い工具を生産し、提供しています」(藤井文博アシスタントゼネラルマネージャー)という同社。「東南アジアの市場だから、安価なASEAN仕様でいいだろうという考え方は少しも持っておりません」とも。最終的に目指すところは、自社製工具を採用してもらうことによって得られる加工時間の短縮。つまり生産効率の向上だ。
効率が上がれば導入企業のコストも削減でき、まさにウィンウィンの関係が構築できる。「そうして始めて顧客の立場に立った営業が完成する」と小桜一孝セールスマネージャー。「加工半減」という言葉が日本のグループ会社によって商標登録されている事実が、社の理念を如実に物語っている。
高い品質、技術力の維持は質の高い人材によってしか生まれない。このため同社は、最大15%のインセンティブを盛り込んだ独自の評価制度と表彰制度を導入。「頑張った者は報われる」として、スタッフの士気向上にも努めている。工場内では徹底した「見える化」や「多能工化」を実現。トータルでのコスト削減で新たな市場開拓を目指している。