全ての人の歯を健康的な歯へそしてタイと日本の架け橋に
歯学博士・院長
Atiphan Pimkhaokham
アーティパン・ピムカオカム
デジタル3Dスキャナーやオーラルスキャンの導入など、最先端のテクノロジーを駆使した歯科治療を行う「JPグリーンデンタルクリニック」。自身の患者は99%が日本人という同院の院長であり、歯学博士でもあるアーティパン氏にインタビューした。
歯科医療の道へ進んだ理由
学生の頃から彫刻など細かい作業が好きだったので、その手先の器用さを生かして、将来は手術を行う医者になろうと考えていました。しかし大学進学の際に、さらに精密な作業を必要とする歯学に魅力を感じるようになったのです。そこでチュラロンコーン大学の歯学部へ進み、その後東京医科歯科大学院を卒業してスイスとアメリカへも短期留学しました。
なぜ日本の大学院へ
当初は、学部内で留学先として人気だったドイツを視野に入れていました。しかし同国の教育システム上、6、7年は学ぶ必要があったので長すぎるなと(笑)。すると教授が日本の歯科医療はドイツと同レベルであり、4年で卒業できるとアドバイスしてくれたのです。また、以前アジアの歯学生が集まる交流会で知り合った、日本人の友人たちの存在も大きかったですね。
スイス・アメリカへも
日本の大学院を卒業後はタイへ戻ったのですが、他国の歯科医療事情をもっと知りたいという想いが強くなりました。いくら本を読んでも、その現場は実際に行ってみないと分からないと思ったのです。そこで世界へ飛び出したのですが、感じたことはどの国も技術的に見るとレベルは同じ。ただ考え方が異なるため、治療法が違ってくるのだと思いました。さらに同じ国でも歯科医の考え方によって、治療法が異なる場合もあります。
例えば「虫歯を治癒する」という最終目的があって、薬を使用するのか抜いてしまうのか、抜いた後はどうするのかなど対処法が異なるのです。
タイの歯科事情に関して
多くのタイ人は甘いものが好きですし、虫歯の方が多いことは事実。一番の問題点は、歯に関する教育がまだまだ行き届いていないことです。特に田舎ですと、子どもだけでなくその両親も虫歯など、歯の問題に対して認知していない方が多いのが現状です。もう一つは、保険の問題ですね。虫歯になってしまった歯を抜く治療には保険が適用されますが、予防治療は適応されません。そのため高額治療となり、一般の方々は治療に踏み込む方が少ない。また、専門的な知識を持った専門医も不足していると感じています。
問題解決のためには?
実は今、歯科医が集まって定期的に田舎へ出向き、無料で子どもたちに治療を提供するプロジェクトを行なっています。きちんとした教育を受けていない、保険が適用されないため治療費が払えない、病院まで通う手段がないなど、さまざまな問題を抱えた方たちの元へ医師たちが出向く活動です。この活動を通して、まずは歯の健康の大切さなどの知識を広めていきたいです。
大学で教壇に立っていますね
国内はもちろん、日本や近隣諸国でも学生たちに口腔外科について教えています。毎日クリニックで治療を行っているだけでは、自身のスキルアップには繋がりません。大学で教壇に立つことで、自身も学ぶことがあり新たな発見に繋がります。
今後の展望について
私は主にインプラント治療を中心に研究をしていますが、大学病院では歯の治療だけでなく唇裂口蓋裂や口腔ガンの手術も行なっています。常に向上心を持って研究を続け、新たな治療法を探し求めていきたいです。そして全ての患者さんの要望に応えられる存在となり、歯の健康を促進していきたいです。
また日本の大学院でお世話になった教授の「祖国へ戻ったらタイと日本の架け橋となって欲しい」という言葉を胸に、バンコクで暮らす日本人の患者さんの治療をこれからも続けたいと思います。
JPグリーンデンタルクリニック
02-662-6630
2nd Fl., Miracle Mall , Sukhumvit Soi 41
http://jp-green-dental.com