鴻池アジア タイランド
海外フォワーディング、通関、倉庫・国内配送、クロスボーダー輸送、事業投資など
食品輸送のスペシャリスト現る!
鮮度を保たせ、タイからAECへ
「最後発なので何でも挑戦しますよ」と語るのは、創業1880年の名門鴻池運輸のタイ現地法人KONOIKE ASIAの村上直弘代表。確かに、タイ進出は2009年と日系物流企業としては後発組だ。とはいえ、日本で名を馳せる同社だけに、進出から約8年で、定温(常温、中温、冷蔵、冷凍)物流を請け負うKONOIKE COOL LOGISTICS、国内輸送を担うKONOIKE EXPRESSのほか、事業投資会社を主とする稀有な存在、KONOIKE SOTUS VENTUREの事業会社4社を立ち上げ、総合物流事業を展開する。
得意の定温サービスでは、目下、食品物流に力を注ぐ。−25度の低温から+20度まで4温度帯の倉庫で、商品によって使い分ける。当然、配送時も専用車両による温度管理を行い、GPSで常にデータを記録することで運行管理に余念はない。KONOIKE COOLの井上亜樹代表は「当然、温度管理が必要な定温サービスは、手間(設備投資や日常管理)はかかりますが、品質や鮮度を落とさずに店舗まで届けることで、食の向上につながりますから」と意欲的。結果、進出から数年で、大手食品メーカーからの受注にもこぎつけた。
フォワーディングとクロスボーダーを専門とする冒頭の村上代表はこう語る。「ASEAN経済共同体(AEC)の発足で、クロスボーダーが活発化します。定温部門の強みは、タイに下ろされた生鮮材料の内陸国への輸送につながります。ドライ貨物だけでなく、定温貨物といったあらゆる可能性に備えるのが我々の使命です」。既成概念にとらわれない発想とフットワークこそが、後発の強みであり、名門という歴史(ノウハウ)があるからこそ、それを実現できるのだろう。
- ①進出後すぐに力を注いだのが、常温、中温、冷蔵、冷凍の4温度帯での生鮮・加工食品、アイスクリーム、パン生地、農作物などあらゆるモノを、国内外に届けられる定温物流
- ②「食品や医薬品といった温度管理の必要なモノは多品種です。すでに多くの実績を積ませてもらっています」と自信を見せる定温倉庫と国内配送が専門のKONOIKE COOLの井上代表(右)。「近いうちに、北海道からバンコクへの直行便での生鮮輸送や、近い将来はラオスにも鮮魚を運べるようチャレンジします」と語るフォワーディングとクロスボーダーを担当するKONOIKE ASIAの村上代表。※写真左は冷凍加工食品のクロスボーダー輸送
※この情報は2016年12月現在の取材を元にしています