協和NT(タイランド)
特殊刃具・自動車部品、精密機械加工部品全般の製造・販売
特殊刃具と精度の高い加工技術が融合
コストダウンとスピードアップを実現
自動車・電気機器の部品メーカー、協和工業と自社制作の特殊工具を使った精密部品加工を手掛けるナショナルツール。モノづくりの確かな技術に定評のある2つの会社が手を組み、アユタヤのロジャナ工業団地に2013年に設立した合弁会社が、協和NTだ。
ナショナルツールは、主に自動車用部品のジャンルで特殊刃具作りのノウハウやNC加工技術を培ってきた。ここに、協和工業の精度の高いマシニング加工技術を融合させて、工具の選定から制作、最終的な仕上げまで一貫して自社内で行えるのが同社の強み。固いアルミニウムなど、他社ではできない難削材の加工も得意分野の一つ。「お客様が精度を重視されればされるほど、当社の強みが生かせると自負しています」(両角政秋マネージングダイレクター)。
自社内で特殊工具と自動車部品を作り、工具の技術と部品の精度を日々フィードバックしているため、加工の工程時間を大幅に短縮することが可能に。工程時間が短くなれば、加工精度も向上。同社が日本品質の製品をリーズナブルな価格で迅速に提供できる理由は、そこにある。
タイ人従業員の教育にもぬかりはない。タイにおいても、日本とまったく同じ教育システムを導入。すべてをタイ語に翻訳し、テスト方式を採用してスキルアップを図っている。
「まだ進出したばかりなので、現状はタイの売上と工場品質の確保が一番の目標ですが、長期的には多種多様な分野にも挑戦したい」と両角MD。精度を高めつつコストダウンとスピードアップを図る同社が、ASEAN向け部品の中心的工場となる日は近そうだ。