年々、日系リース・レンタル会社の進出が目覚ましいタイ。
リース及びレンタルで経費上のメリットとなる他、
気軽に最新気鋭の設備を導入でき、生産性向上にも繋げることが可能だ。
柔軟な活用でさまざまな利益を生み出す、全6社を紹介する。
土地や機械などを自費購入するとなれば、会計上の処理や物件の登録(登記)、さらには保険手続きまで何かと面倒なのが海外ビジネスの現場。産業の集積が進むタイでは早くから導入され、土地、倉庫、機械類、自動車など、さまざまな資産が対象となっている。そのための会計処理の基準が「タイ王国会計基準」にも項目立てされており、数多くの企業が同制度を活用している。
まずは、リースとレンタルの違いから。リースは顧客の求める機械や機器、自動車などの新品を調達し、比較的長期にわたり供与。レンタルは貸し出す側が保有する在庫の中から借主の要求に近いものを貸し付けるもので、比較的短期の契約が多いとされる。倉庫や構築物など不動産、汎用性の高い運搬機器や倉庫、イベント等の短期使用などについてはレンタルも少なくないが、個別設備機材や自動車、オフィス用品などはリース契約が中心となっている。
利用のメリットとしては、①購入時のローンや保険加入、登録(登記)などの煩雑な事務手続きが不要。②突発的な修理費やメンテナンス費用も発生しないため、毎月一定額の支払いだけで事業計画が立てやすい。③税務上、リース料を全額損金処理することが可能。④期間を短く設定することで、技術革新の波に乗り遅れることなく設備更新が進められる。⑤物件の場合、タイでは各々に応じた法定耐用年数の定めがなく(一定期間での償却が規定されている中)、物件の償却年数を実質的に定めることができるため事業計画の立案が容易。この他にも、利用期間の経過と共に逓増逓減していく不均等払いのリースを組成することができ、また機械設備などをリース会社に名目上いったん売却し、リース物件として引き続き使用するといったリース・バックの手続きを取ることができるのも、タイの税法上の特徴である。
契約内容によって判断が分かれることもあるが、タイでは割賦販売(金融)に近いファイナンスリースの手続きによって会計処理されることが多い。例えば物件の場合、ユーザーは物件を資産として財政状態計算書に計上すると同時に、物件の価額(相当額)を負債としても計上。減価償却費相当額とリース料のうち、金利に相当する部分をそれぞれ経費処理する。一方、原則として中途解約が可能なレンタルやオペレーティングリースと呼ばれているリース契約では、一般的な賃貸借契約の処理に従い、オフバランスのまま支払った金額を全額経費処理している。リース及びレンタルを賢く利用することが、時代を生き残るカギとなるだろう。
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