在タイ日本人が多く住むスクンビットやシーロムエリアには、日本語対応が可能なスタッフや日本人専用カウンターを設けている銀行があります。また、ほとんどのATMは日本語・英語など複数の言語に対応しており、日本とほぼ同様のサービスを利用することができて安心です。
タイの銀行事情
外国人がタイで銀行口座を開設する場合、国際マネーロンダリングを防ぐために、基本的には労働許可証(ワークパーミット)を取得していないと口座開設はできません。
ただし、労働許可証を取得していなくても、在タイ日本大使館で発行した在留届出済証明、ノンイミグラントビザ(B・ED・O・O-A等)、パスポートなどの提示で口座が開設できる銀行もあります(銀行により提出書類や口座開設可否は異なります)。
ATM(預金引き出し・振込など)
タイのATMはキャッシュカード、もしくはアプリのカードレス出金(Cardless Withdrawal)を使えば24時間手数料が無料で利用できます(操作案内は日本語、英語ほか複数の言語に対応)。
口座を作った銀行の管轄内(同都県内)であれば、他行のATMも無料で利用可能です。一方、管轄外(同都県外)で現金を引き出す場合、口座がある銀行のATMでも手数料(15〜20B程度)はかかります。
ATMでは現金の引き出しのほか、送金や各種支払い等も可能です。
POINT
- ATM利用時の注意点
ATMでキャッシュカードを利用する際、一定の時間が経つと挿入したカードが自動的に回収される仕組みになっているので注意が必要です。
カードが吸い込まれてしまうと取り出すことはできません。速やかに最寄りの銀行支店へ行くか、各銀行のコールセンターへ連絡してカードを利用停止してください(カードの再発行は有料。100〜599Bほど ※銀行により異なる)。 - カードレス出金でカードの吸い込み防止
カードの吸い込み防止として需要が高まっているのがアプリを使った「カードレス出金(Cardless Withdrawal)」。カードを使わずに現金を引き出すことができるので、カードを吸い込まれる心配がありません。
CDM(現金預け入れ)・PUM(預金通帳記帳)
タイのATMは日本のATMと異なり、現金の預け入れや通帳記帳ができません。現金の預け入れができる機械は「CDM」と表記されている機械で、銀行や一部のショッピングセンター内に設置されています。はじめて利用する場合は、銀行に併設された機械か銀行窓口を利用するのがおすすめです。
また、通帳への記帳もPUM(もしくはUPDATE)と書かれた専用機械の利用が必要になります。
CHECK
- 通帳の更新(繰越)と再発行
通帳の記帳欄に空きがなくなった場合は、銀行窓口にて無料で更新ができます。更新する際はこれまで使っていた通帳とパスポートを持参してください。また、通帳の紛失・盗難、各種条件変更による通帳の再発行には手数料(100B前後)がかかります。口座開設をした支店で口座名義人がパスポートを提示して、再発行の手続きを進めてください。
ATMカード(キャッシュカード)
銀行口座の開設時にATMカード(キャッシュカード)を同時に作ることができます。デビット機能やサービスの有無など、数種類のカードが用意されているのでライフスタイルに合ったカードを選びましょう。
カードの発行には発行手数料と年会費がかかります(発行手数料100B、年会費200〜300B ※銀行によって異なる)。
POINT
- カードの有効期限に注意!
タイのATMカードは有効期限が設けられています(カードの表面に記載あり)。期限切れのカードは利用できませんので、期限が切れる前にカードの更新手続きをしましょう。カードの更新には「パスポート・通帳・有効期限が切れるATMカード」が必要です。
モバイルアプリ
各銀行ではスマホで使えるモバイルアプリを提供しています。口座開設時にアプリを登録したい旨を伝えれば、スタッフが初期設定の補助をしてくれます。アプリを登録すれば、カードレス出金やQR決済、送金、残高確認等ができるので非常に便利です。
※アプリはタイ語、英語のみ対応
モバイルアプリでできること ※一例
- QR決済
- 国内送金、海外送金
- 各種支払い
- カードレス出金(Cardless Withdrawal)
口座維持費
タイの銀行では決められた最低預入金額を下回ると口座維持費が発生します。預金残高が満たない場合は、口座から毎月口座維持費が自動的に引き落とされるので注意してください。
例えばバンコック銀行の普通預金は、口座残高が2,000Bを切った状態で1年間口座に出金がなければ、毎月50Bの口座維持費が自動で引き落とされてしまいます。また、残高がなくなった時点で強制的に口座を解約されてしまう場合があるので注意しましょう。
POINT
- 本帰国やタイ国外への移住が決まったら口座は解約すべし!
本帰国やタイ国外への移住などによりタイを離れる場合は、必ず銀行口座の解約をしましょう。理由としてはタイの銀行が解約を推奨していることはもちろん、銀行関連の各種手続きがタイ国内でしか行えず、口座名義人本人が直接窓口に行く必要があるからです。なかには、口座を解約せずに帰国するケースもあるそうですが、口座維持費など余計なお金がかかるほか、残高がゼロになってしまうと口座が凍結され、最終的には自動解約されてしまいます。一時的な帰国ではなく、本帰国や国外移住の場合は解約するのが良いでしょう。