ここ数年、バンコクをはじめタイ国内では「PM2.5(微小粒子状物質)」による深刻な大気汚染が問題となっています。
そんな時に便利なのがPM2.5の濃度がわかるスマートフォンアプリ。このアプリを使えば、毎日の大気汚染状況をリアルタイムで確認することができるのでアプリをダウンロードしておくと安心です。
また、PM2.5の濃度がひどい日は、高機能な防じんマスクを着用したり、外出を控えるなどの対策をして、自分の健康を守り安心・安全なタイ生活を送りましょう。
PM2.5とは
PM2.5は大気中に浮遊している直径2.5マイクロメートル(1マイクロメートルは1mmの1000分の1)以下の小さな粒子「微小粒子状物質」のこと。人の髪の毛の直径が約70マイクロメートルなので、その小ささが分かります。
成分は炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、ナトリウム、アルミニウムなど。PM2.5は粒子が非常に細かいため、肺や血液中に侵入すると人間の健康にも影響をもたらします。また、呼吸器系疾患、心血管系疾患、がんなど、特に子どもや老人、妊婦に与える影響が大きいと考えられています。
発生原因
PM2.5の発生源としては、人為的原因や自然由来のもの、または他の汚染物質などから発生するとされています。
- 自動車の排気ガス(主にディーゼルエンジン)
- 工場からの排気
- 燃焼(物を燃やす、野焼きなど)
- 気体の化学反応(二酸化硫黄、窒素酸化物、揮発性有機化合物)
注意
どのくらいの濃度で体に悪影響が出るの?
世界保健機関(WHO)をはじめ世界各国では、それぞれPM2.5が一定の基準値を超えると健康に害を与えるレベルと認定しています。
タイが定めるPM2.5環境基準値
タイ:37.5µg/㎥(1日平均値)、15µg/㎥(年平均値)
タイの環境基準値はWHOが定める基準値(35µg/㎥)を上回っています。PM2.5の分布が多い時期のバンコク都内の数値レベルは、1日平均で「100µg/㎥」近くまで達することもあるので注意が必要です。
PM2.5による症状の一例
※個人によって症状は異なります。
※症状がひどい場合は病院の診察を受診してください。
短期的な影響
- 目:かゆみ、目の充血、まぶたの腫れ、異物感、めやに、流涙など
- 鼻:鼻水、鼻づまり、くしゃみ
- 喉:かゆみ、腫れ、声がかれるなど
- 肌・皮膚:かゆみ、赤み、発疹、じんましんなど
- 神経・脳:頭痛、頭重感、疲労感、不安感など
- 呼吸器:咳、痰、喘息、息切れ、呼吸困難、上気道炎など
長期的な影響
- 呼吸器疾患(気管支炎、喘息、肺炎、気腫など)
- 肺組織障害
- 癌
- 脳卒中
- 心臓発作
特に注意すべき人
タイでは大気汚染に対してしっかりとした対策を取らなければ、健康被害や病気へのリスクが高まるおそれがあります。また、次の方はより影響を受けやすい可能性があるので普段から健康管理を心がけましょう。
- 乳幼児
- 子ども
- 妊婦
- 高齢者
- 呼吸器疾患のある方
- 基礎疾患のある方