いよいよ、タイ国内でも本格化する新型コロナワクチンの接種。
しかし、パンデミック終息に向けた世界的な期待が高まる一方で、「タイでワクチンを打っても大丈夫?」「メーカーによる効果の違いや安全性は?」「一時帰国時に日本で接種するには」といった不安・疑問を抱えている方も少なくないでしょう。
こうした在タイ日本人の声に応えるべく、「タイ国日本人会」「バムルンラード・インターナショナル病院」は去る6月17日、【タイで、いつ打てる? コロナワクチン最新情報】と題したオンラインセミナーを開催。
講師に同院の日本人内科医・百武先生を、さらにゲストスピーカーとして在タイ日本国大使館の大場雄一公使を迎え、医学的見地および政策の両側面から日本とタイの「ワクチンの今」についてわかりやすく解説しました。
事前に質問を受け付け、ウェビナー形式で行われた今回のセミナー。
当初は先着100名の参加を予定していましたが1000名近くの応募が殺到し、タイ国日本人会主催のオンラインイベントの中でも史上最大規模となる大反響ぶりに。在タイ日本人の皆さんの関心の高さが伺えました。
また、セミナー終了後のアンケートでも8割が「講演内容に満足した」と回答するなど、非常に有益なセミナーとなったようです。
※2021年6月17日時点に行われたセミナーの情報をお伝えしています。タイにおける新型コロナウイルス関連の最新情報は、「在タイ日本国大使館」の公式ホームページをご確認ください。
https://www.th.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid2019-index_v2021new.html
ワクチンセミナー早わかりQ&A
タイ政府の無料ワクチン、メーカーは選べる?
タイ政府が無料で接種を行うワクチンは現在、「アストラゼネカ(英国)」と「シノバック(中国)」の2社製品のみ。60歳以上または該当する基礎疾患のある方には「アストラゼネカ」を優先的に接種しています。接種に際しメーカーは選択できませんが、希望は伝えられるようです(ワクチンの在庫状況による)。
タイと日本、どちらで接種するのが安心?
タイでは国籍・在留資格に関わらず外国人のワクチン接種が可能です。ただし、深刻な副反応が出た場合でも、タイ政府の公的な補償対象は受けられません。また、海外での接種に係る副反応については日本政府の救済制度の対象外となります。とはいえ、日タイいずれの承認ワクチンにも重症化予防効果は十分あります。重症化リスクのある方は、早めに接種したほうがよいかもしれません。
接種後の副反応や将来的な後遺症が心配…
既往歴や基礎疾患の有無、妊娠、投薬中など、一人ひとり副反応の発生リスクが異なります。健康状態に不安がある方は、まず主治医に相談することをお薦めします。また、新しく開発されたワクチンであるため、将来的な後遺症の有無について明らかにされていませんが、遺伝子を書き換える可能性は低いと言われています。
今年、日本に一時帰国して接種するには?
現在、海外在留邦人向けのワクチン接種事業整備が進められており、今夏以降、成田空港および羽田空港またはその周辺で希望者向けの接種が始まる予定です。対象者は、在留届を提出済みかつ日本国内に住民票がない方。予約専用サイト上での事前申請が必要で、ワクチン接種は無料、渡航費は自己負担となります。
海外渡航のための接種証明書(ワクチンパスポート)について
タイ政府が発行するいわゆる「ワクチンパスポート」は、現状ではスワンナプーム国際空港内・国際伝染病管理チェックポイントなど国内4カ所で申請が可能です。
外国人の場合、申請にはパスポート、ワクチン接種記録書、航空券など渡航を証明するもの、発行費50Bが必要です。
一方、日本政府は7月下旬を目処に発行するとしており、まずは紙(書面)で交付される予定で、デジタル方式も追って検討するとのことです。
※タイの「ワクチンパスポート」については、6月18日に「在タイ日本国大使館」が発表した最新情報にアップデートしています。
セミナーのYouTube動画はこちらからご覧ください
タイ国日本人会チャンネル
【タイで、いつ打てる? コロナワクチン最新情報】
前編・百武医師セミナー
https://www.youtube.com/watch?v=pKYfBdOXc1c