2015年5月31日、サッカー教室「ZONO Soccer clinic」のために来タイした元日本代表の前園真聖氏。今季のチャンピオンズリーグも幕を閉じ、一段落した欧州サッカーのまとめから“新生”ハリルジャパンまで、前園氏に語ってもらった。(聞き手:浜崎勇次 写真提供:ディアライフ)
―欧州各リーグを振り返ると
前園 すべてのリーグを専門的に見てはいませんが、スペイン、イングランド、ドイツについては、ここ数年同じようなクラブが上位を占めており、今シーズンも同じような顔ぶれでしたね。そんな中で、チャンピオンズリーグでは敗れてしまいましたが、セリエA(イタリア)のユベントスが2冠を達成。久しぶりに存在感をみせてくれたので、これを機にイタリアサッカーの復活を期待したいですね。
―チャンピオンズリーグはバルセロナが5度目の優勝。原動力となったメッシ、ネイマール、スアレスの通称「MSN」について
前園 スアレスが入ったことによりメッシの役割がどうなるのかな?と思って見ていたんですが、手探りの状態から徐々にバランスが取れてきました。メッシも今まで以上に自由にプレーしていますし、ネイマールも含めて「3人が絡んだイメージの共有」を短時間でフィットさせたのはさすがです。
―本田、香川選手について
前園 両選手について言えることですが、彼らのプレーの良し悪しよりも、チーム全体、周りの選手のプレーの質があまりよくなかったですよね。その中で彼らのプレーも周りに流されてしまった感じがします。以前のイメージが強い分、求められるハードルも高くなっていますが、課題はしっかりスタメンを確保し、結果を残すこと。両選手ともに、新チームになってどういったパフォーマンスを見せるのか楽しみですね。
―ハリルジャパンについて。誰が中心選手になっていくか
前園 今まで同様、本田、香川が中心になると思います。しかし、若い選手が出てこないとワールドカップは勝てない。宇佐美、武藤といった若い選手が伸びていますが、世界的に見たらもう若手ではないですよね? 代表の中でも彼らが中心になるくらいでないと代表自体のレベルも上がっていかないですし、そこは期待したいですね。
―戦術について
前園 まだ数試合なので何とも言えないですが、選手への意識づけだとか、ボールを繋ぎながらも縦に速いとか、そういった部分が随所で見られました。選手選考も含め、ワールドカップを見据えてやっているんだなと感じます。僕自身はポジティブに捉えていますよ。
―直近の日本代表の目標は
前園 まずはワールドカップ予選、東アジアカップになると思いますが、とにかく結果を出すこと。そこから先に繋がっていくと思います。
―最近、バラエティでブレイクしていることについて
前園 ブレイクはしてないですよ(笑)。でも、こうやって仕事をもらえるのはうれしいですことですし、僕をきっかけに多くの人達にサッカーを知ってもらえることで、サッカー界へ貢献できているのかなとは思います。