MSTコーポレーション タイ
ツーリングシステム及びグラファイト電極の製造、販売
絶大な信頼性を誇る焼きばめホルダ
在庫センターを設置、迅速対応が可能に
1937年、産業機械、工作機械の製造販売を開始し、46年に工作機械に取り付けるツーリングを日本で初めて商品化。創業80年目を迎えるのが、老舗メーカーの「MSTコーポレーション」だ。タイは2015年7月に進出。主に製作時の専門性が高いグラファイト電極加工を主としていたが、同社の強みでもあるツールホルダの在庫センターを5月に設置、タイ国内向けの短納期に対応した。
これまでは日本から輸出していた商品は納品まで1週間を要していたが、在庫センターの稼働により、翌日納品が可能に。元々、他国で実績があったため、導入もスムーズに行うことができ、綿密なオペレーションによる対応は安心度も高いと評判。タイには、昨年の出荷数の約半年分となる380種、4160品数の在庫をストックし、迅速な対応を可能とした。
同社製品を代表するのが、焼ばめホルダ「スリムライン」。金属の熱膨張を利用し、刃物とホルダが一体化することで部品を介在せず、高い精度と剛性を誇る優れもの。振れ精度保証は3ミクロン以内で、何よりも装着させる時にコレットやナットなどの部品が不要。スリムな形状にできるため、刃物の突出長さを最短にセットできる。その高い技術力を評価されるため、金型メーカーからの引き合いが多い。実際に同社製品を利用した顧客からは「一度使ったら離せない」と言われるほど。
まずはタイを拠点とし、今後東南アジアへの拡販を広げていく。「お客との近い距離で対応していきたい。まだまだ拡販していけると考えています」と話すのは、和泉亘アジアセクションリーダー。長年培った高い製品力と短納期の在庫を武器に、ここタイでもさらなる成長が見込まれる。
※この情報は2016年08月現在の取材を元にしています