JETROの10月5日のビジネス短信によると、セター首相は9月29日、地元メディアが主催するセミナーで、日系企業のタイへの投資に対する感謝や、内燃機関搭載車の生産が引き続きタイ自動車産業にとって重要であるなどと語った。
(以下、原文を引用)
セター・タビシン新首相は9月29日、地元メディアが主催するセミナー「ネクスト・チャプター・タイランド」に参加し、日系企業のこれまでのタイへの投資に対する感謝や、内燃機関搭載車(ICE)の生産が引き続きタイ自動車産業にとって重要である点などを述べた(9月30日付「タイラット」紙オンライン版)。
セター首相の主な発言は次のとおり
米中摩擦問題に対して、タイはどちらか片方を選ぶのではなく、両国の間でバランスをとっていく方針。日本はこれまでタイに最も投資してきた国であり、タイはその恩を忘れない。
2023年12月、首相就任してから初めて日本を訪問する予定。日本は過去数十年にわたり、タイの発展に貢献してきた。現在、タイ政府は電気自動車(EV)の促進策を実施しているが、引き続き市場ではICEの台数も多い。そのため、今後10~15年間はICEの生産も継続する方針。また、ICEの生産サプライチェーンに関わる企業は多く、ICEの生産が今なくなれば、タイの自動車産業は大きな影響を受けることになる。
2023年12月、政府はタイ自動車研究所(TAI)と、今後のタイのICE生産拠点としての位置づけについて協議する予定。方針案として、例えば、タイへの生産移転を促す恩典を提供することで、ICEを含め、引き続き多くの自動車企業が、今後もタイで自動車の生産拠点として長く操業を継続できるようにすることなども想定される。
同セミナーは、地元プラチャーチャート新聞が主催し、企業・団体から300人以上が参加した。先だって開催された朝食会の出席者には、民間電力大手ガルフ・エナジー・デベロップメント、バンコク銀行、通信大手AIS、小売り大手ザ・モール、不動産大手サイアム・ピワットなどのタイ地場の大企業のほか、チュラロンコン大学関係者などの名が含まれている。日系企業ではトヨタ自動車が参加した。
(10月5日=JETRO)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/10/35b8d3ba4b5f228a.html