10万人が住むタイ最大のスラム街・クロントイで 私有地を巡り、ある男性が訴えを起こしている。
「クロントイ内で所有する空き地に、ここ数年間、大勢の人が無許可で住みつき、占拠されて困っている」と27日、タイの掲示板サイト「Pantip」にある男性が投稿し、話題となっている。その土地はもともと、男性の母親に所有権があった。
敷地は3ライ(1ライ=1600㎡)この土地が徐々に侵食され始めたのは、男性の母親が若かった頃。
最初は、お金も住む場所もない人たちに、人助けと思い低価格で貸し出していた。
しかし、ひとつ家が建ったのをきっかけに、無許可の家がどんどん建つようになってしまった。
これでは無法地帯になると思い、クロントイの人たちに無許可の侵入禁止を告げたが、事情を知らない新しい住人が次々と出現。
気がづけば、管理しきれないほどになり、土地の4分の1を占拠されてしまったのだ。
男性はクロントイ区役所に通報。
所有権を証明する文書を提示したが、聞き入れてもらえなかった。
裁判所に訴えるには、土地全体の面積を改めて測量しなければならないのだが、建てられてしまった家が邪魔で測量ができず、堂々巡りとなっている。
なお、クロントイ地区の面積は約13km²、人口は10万6233人、人口密度は8176人/km²(2015年時点、バンコク首都圏庁情報)人が密集し、その規模がどんどん膨れ上がっているのが現状だ。
スラムの秩序をどう整えるか。
タイが今後、先進国入りするための重要課題の一つになる。