PANTIP

タイ掲示板サイトのパイオニア

プロダクト・デベロップメント・マネージャー 

アピシン・トルンカーノン

《プロフィール》 34歳。1997年、大学生のときにパンティップにプログラマーとして入社。7年間務め、一度は学業の道に進むもその後、社長に誘われ、現場に復帰。現在は、プロダクト・デベロップメント・マネージャーという立場で、サイト全体をプロデュースしている。
 

タイの“2ちゃんねる”こと パンティップ

パンティップとは一体、どういうサイトでしょうか?
ワンチャット・パドゥンラット社長が1996年に立ち上げた掲示板サイトです。タイではパイオニア的な存在となっています。



「パンティップ」という名前の由来はなんでしょうか?
昔、社長(ワンチャット)がパンティップ・プラザというITモールでお店を開いていたことがあります。その後、「パンティップ」というECサイトを制作し、サイト上で販売をするようになりました。 その後、社長は「情報交換ができるサイトがあれば便利」と考え、掲示板サイトにしたんです。



一日のPVはどれくらいですか?
ユニークユーザーは200万人ぐらいです。PVなら1000万ほどです。ひとりの訪問者が少なくとも10ページくらいは見ている計算になります。



一日のサーバーにかかる費用はいくらぐらいですか?
パンティップのサイトは6台のサーバーを使って、料金はひと月に10万バーツ以上です。



年間の売り上げは?
以前は7000万バーツくらいでしたが、今はそれより多くなっていると思います。



パンティップから話題となったニュースがあれば教えてください
一番有名なニュースは、ナーターンさんというタレントの件です。彼は元々歌手だったのですが、人気が落ち、「自分はハリウッドの映画に出た」というニュースを自ら流しました。また、人からお金を借りていましたが、返さないため、警察からも逃げていました。しかし、パンティップのユーザーがチェンカーンまで行って、彼の写真を撮り、逮捕に至りました。



パンティップは訴えられたことがありますか?
はい。とあるユーザーが、ブランドやお店のサービスをクレームするスレッドを立てました。これにブランドが激怒して、パンティップを訴えたこともありましたね。ただ、大半はスレッドを立ち上げた人間が対象となっています。



警察から捜査協力を頼まれたことがありますか?
コンピューター法案によって我々は警察に協力をしないといけないわけですし、容疑者のIPアドレスの割り出しを行っています。



日本にもパンティップのような掲示板、「2ちゃんねる」がありますが、ご存知でしょうか?
聞いたことがあります。ただ、それはパンティップよりも匿名性が高いらしいですね。一方、アメリカの掲示板サイトはみんなが自分をカミングアウトします。パンティップは、その真ん中。パンティップのユーザーはハンドルネームがありますので。



—2ちゃんねるは完全に匿名なので、犯罪予告などの怖いスレッドが立つこともあります
パンティップを登録するときに、フルオプションならIDカード(身分証明書)の番号を入力しなければなりません。ただ、フルオプションではなくても、電話番号を入力しなければなりません。そのため、誰が何のスレを立てたかをチェックすることができます。



上場しない理由はなぜですか?
パンティップの情報は、弊社のスタッフのものではありません。ユーザー一人ひとりのおかげです。また、企業家や政治家たちが弊社の株を所有したら、パンティップの内容自体も公平性を保つことはできなくなりますので。



タイのITはどうなりますか?
今、インターネットをアクセスする人は、人口の2割だけですが、3Gのおかげで地方にいる人もアクセスしやすくなります。農家がフェイスブックやインターネット上で商品を売ることができるようになれば、取次も必要なくなり、コストも安くなって、利益も上がっていきますね。

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