三和精機(タイランド)
切削・歯切工具等の輸入・販売
豊富な在庫を持つストックセンターを開設
ローカル市場への更なる浸透も目指す
耐久性や精密性など付加価値の高い切削工具や歯切工具、工作機械、測定機器等を供給するのが、愛知県名古屋市に本拠を置
く三和精機。タイでは、三菱重工社製の切削・歯切工具等の代理店を務めるほか、2001年にグループ入りしたオーエスジー社(同豊川市)の商材も取り扱い、2つの柱を軸に事業を展開している。進出は2007年10月。13年8月には「ストックセンター」を兼ね備えた支社をバンナーに開設。日系のみならず、「ここのところ、勢いを感じています」(寺澤伸二マネージングダイレクター/以下MD)というローカル市場への更なる浸透も目指している。
コスト競争の激しい工具市場。単価を下げれば台湾勢や韓国勢と不毛な価格競争を展開しなくてはならない。そうならないためにも設置に踏み切ったのが「ストックセンター」だった。「消耗品の工具はいつ破損、不足になるとも限りません。多くの在庫を抱えればコスト面での負担は増すが、顧客のジャストインタイムの要望に応えることで信頼を得ることができます。他社ができないサービスを展開しなければこの業界では生き残れません」と高木洋平エグゼクティブアドバイザー(以下EA)は話す。取引先は日系を中心に100社以上。タイ人の営業スタッフに対しては「心のこもった営業」を心がけるよう指導している。そのために必要なことは「現場の数を踏むこと」と寺澤MD。「技術的なことは少しずつ覚えていけばいい。まずは顧客との信頼関係を築くこと。それができて初めて、提案型の営業が完成するのです」。拡大するローカル市場には、ローカルスタッフを充てていくのが同社の戦術。「開花するのが楽しみ」と同MDは目を輝かせた。