サイアム ヒキフネ
精密装飾めっき及び機能性めっき等
80年を超える実績と技術の結晶装飾めっきでタイ市場にチャレンジ
1932年に東京で創業しためっき加工業ヒキフネは、70年代に技術者養成のための開発室を設置。下請け業にとどまらない新たな市場の開拓を求めて、それまでの精密装飾めっきから機能性めっきの世界に足を踏み入れた。成長と発展の源泉は、高い技術力と開発力だ。
機能性めっきの一つ、光ファイバー向けのめっきを始めたのは10年前。125μmという微細石英ガラスへのめっきは増幅器などへの接続を可能とし、当時としては画期的な技術革新とされた。海外市場にも輸出され、現在の国内シェアは80%に達する。地球規模での高齢化社会の到来や高付加価値産業の伸長などから今後、医療や各種センサーの分野で需要が伸びていくものと予想しており、新たな屋台骨として育てていく方針だ。
タイ法人は2 0 1 4 年1月から操業を開始。装飾や機能部品向け全自動ラインを導入するほか、今年からは半自動マニュアルラインも増設した。亜鉛ダイカストや真鍮などの素材に銅めっきや光沢ニッケルめっき、クロムめっきなどを施す専用ライン。装飾めっき業から興った同社が“原点回帰”で臨んだ市場がタイだった。
そのため品質管理にも余念がない。検査用の蛍光X線膜厚測定器をはじめ、日本製を採用。高精度の要求に応えている。「装飾めっきもただ綺麗にめっきするだけの時代は終わった」と石川英孝社長。需要の拡大する東南アジア市場。「顧客ニーズに応えた飽くなき探究と姿勢が必要」と力強く結んだ。
※この情報は2015年7月現在の取材を元にしています