スミポン コーポレーション
一般・切削工具、計測機器、工作機械の販売・サービス
一線を画す新たな総合商社が誕生
最大の武器は、知り尽くす現場の実情
「きっかけは、お客様の要望です」と振り返るのは、タイ企業として、モノづくり現場の総合商社へと成長した「スミポン」のトンポン・ダイレクター。同社は、今でこそ、タイを代表する機械総合商社だが、設立した30年前は工具商社からスタートした。当然、強みは工具や計測機器など常時2万5000点に及ぶ莫大なストック。揃えるメーカーも住友電工ハードメタル、OSG、BIG大昭和精機、A.L.M.T.といった世界に名だたる日系メーカーらと組む。そんな中、前述のユーザーからの要望に応えるため、約3年前に工作機械メーカーのMAZAK製品の取り扱いを開始。同時に、投資額の大きい設備(工作機械)だけに、日系企業の決定権者が安心して交渉できるよう、日本人チームを編成した。タイには日系専門商社は既出だが、同社は現場で日常的に使用される消耗品を扱う工具商社出身だけに、事業スタイルそのもので他社とは一線を画す。「現場数が多いので、セールスエンジニアは約60人。毎日多くの現場を訪問しています」(同氏)。つまり、タイの製造現場を知り尽くしたエンジニアから上がった情報量をもとに、現場ごとに細かな提案ができる点で差別化を図る。最近では、機械・ツーリング(ホルダー)・切削工具をパッケージ提案することにより「MAZAKの機械を使い、工程短縮を考えている」との相談も舞い込むという。
日本人チームトップの吉村氏はこう話す。「現場では、設備の老杤化でトラブルは多発しているものの、品質を保持しているので、管理者(日本人)が知らないことも多い。そうした現場の声を吸い上げ、代わりに提案することも重要なんです」。まさに、同社はローカルだからこそできる製造現場の課題解決企業だ。
- ①コンパクトなデザインと省スペースで大きな投資効果を生み出す量産対応の小型CNC旋盤「QUICK TURN PRIMOSシリーズ」(左)、30番テーパ主軸の高コストパフォーマンス立形マシニングセンタ「VERTICAL CENTER PRIMOS 400 S」
- ②小型測定器から三次元測定機・機器まで扱う世界TOP総合精密測定メーカー
- ③超高速サンプリングや高精度形ロードセルの特長を持つ精密万能試験機オートグラフ「AG-Xplus」(左)、マイクロフォーカスX線透視装置「SMX-1000 Plus」
- ④3Dでの検査、治工具の確認、CADとの比較、寸法検査、リバースエンジニアリングなどに最適なポータブル3次元測定器
- ⑤将来的には日系企業サポートチームの為に特別チームを作りたいと言う吉村氏
- ⑥一般企業だけに留まらず、タイ国内の労働省、教育省にも日本のモノづくりの良さをPRしている機械チーム