タカハシキカイ タイランド
精密工作機械・周辺機器の製造・販売
精密工作機械メーカーの老舗が
自動車業界に挑む
工作機械メーカー「タカハシキカイ」は、「高橋機械製作所」として1967年に新潟県で事業を開始し、来年で設立50周年を迎える。超精密CNC旋盤、精密CNCターニングセンタ、CNCオートローダシステム等、創業以来、一貫して精密工作機械及びその周辺機器を開発・製造。コストパフォーマンスの優れた精密生産設備を、世界中で展開している。
光学・IT情報・自動車の3本の柱で事業展開する同社。タイへは、光学・IT関連の日系企業が相次いで進出したことを受け、96年に駐在員事務所を開設。2006年に現地法人「タカハシキカイタイランド」を設立した。1992年に第1号機を設置(販売)して以降、タイ国内での累計納入実績は1800台を超える。ただ単に機械を納入するだけでなく、顧客のアプリケーションに合わせて最適なモデルを提案。メンテナンスなどのアフターケアは言わずもがな、治具などの設計・製作・加工、そしてターンキーまで一貫して行う。
同社が今、注力するのは自動車業界。IT・光学機器の業界では有名な“タカハシブランド”だが、「(タイの)クルマ業界での知名度は高いとは言えない」と平賀徹尚マネージャー。11月のMETALEXでは、マシニング加工から旋削まで1台集約型の「MICROSTAR LD1」、自社で独自開発したピルトインローダシステムを搭載した全自動旋盤の「MICROSTAR L20-2NCL」を展示し、自動車業界へのアピールを狙う。「我々は後発。不利であることは理解している」としながらも、「無人化オペレーションへの意識が低いタイの自動車業界で、我々の商品を知ってもらい、ひいては日本の主流である全自動化システムを推奨していければ」(同氏)と意気込みを語った。
- ①「L70FB-NCL」は2スピンドル、4スライドを4軸制御し、ワークの表裏同時加工が可能。主軸と刃物台が分離しているため振動に強く、高精度の加工ができる
- ②平行2スピンドル精密小型CNCくし刃旋盤(3軸直行NCローダ付)の「MICROSTAR L3-W-NCL」は、同一加工、反転装置を付加しての表裏加工など、さまざまなバリエーションが可能
- ③精密小型CNCターニングセンタの「MICROSTAR LD1」。主軸台には、低速回転から高速回転領域まで安定した回転精度を保つ高剛性・低振動のビルトインモータ方式を、軸受けには精密玉軸受けを採用しており、高速回転での低発熱と低振動、長寿命を実現している
- ④ジェモポリス工業団地のフリーゾーン内には倉庫兼ショールームがあり、テストカット等、実際に同社の機械に触れることができる。写真(右)は平賀マネージャー