タイ国際計測器
自動車業界向けバランシングマシン等の輸入販売及び保守点検
タイ進出後の売上規模は10倍以上に
取引先への負荷軽減の配慮も
2005年のタイ進出から満10年が経過した。当初、年間1億円ほどだった売上規模はこの間に10倍以上に膨れ上がった。自動車産業が集積する東南アジアの拠点タイで、部品メーカーなどにバランシングマシンの供給を続けている。見た目ではわからない振動をコンマ以下の単位まで計測解析し、バランスを修正するために欠かせない測定器である。「モータ、エンジン、トランス、タイヤ、ディスク。回るものなら何でも当社にお任せを」(鈴木勝之MD)と顧客からの信頼も厚い。
顧客の90%が自動車関連企業。残るは家電業界で使用されるモーターの計測などに使われている。日本の本社工場で生産した日本水準の高品質機器をタイに輸入し、顧客の元に届ける。搬入先は日系企業が70%、残りがローカルだ。
自動車関連産業に位置付けられることが多いが、車の生産量が増加に転じたからと言って、直ちに受注が増えるわけでもない。「いったん導入し、丁寧にメンテナンスを施せば10年は持つ」と加藤明治GM。ゆえに、導入後のサポート支援に重きを置いている。
日系企業間で多くなるのが、日本人同士の連絡のやり取りだが、それがかえって取引先にとって負荷につながることもあるという。指示を出す日本人同士がいくらやり取りをしても実際に現場を動かすのはタイ人。当然、タイ人同士に任せることで業務がスムーズになる。結果的に取引先は雑事から開放され、両者ウィンウィンの関係に。「国際っていいよねと言われた時が、最もうれしいですね」と鈴木MD。厚いサポートでさらなるマーケット拡大を目指す。