金型のメンテナンス・表面のシボ加工
ワールドシボテック
金型・完成品に付加価値与える
“シボ加工の雄”
工業製品の表面に皮目のような皺状のテクスチャを与える、シボ加工。コストを抑えながら商品価値を向上できる手法として、自動車部品や電化製品、カメラや雑貨など、あらゆる工業製品の金型に採用されている。同技術において、日本国内三強の一角を担う「ワールドエッチング」のアジア支部が、「ワールドシボテック」だ。1996年にタイへ進出し、日系自動車メーカーとの共同開発はもちろん、ローカル金型メーカーにも幅広く技術を提供している。
同社最大の強みは、金型の修理からシボ加工まで、ワンストップで行えること。金型の専門知識を持つスタッフも常駐し、メンテナンス箇所を最小限に留めるレーザー溶接機も備える。「金型が破損した場合、メンテナンスとシボ修理が同時に行える当社なら、工期短縮・コストダウンなどのソリューション提供も可能です」(小島セールスマネージャー)。
ミクロン単位の凹凸を再現するシボ加工は、繊細な工程の繰り返し。熟練の技が必要となるが、伊藤プロダクトマネージャーは「加工は全てローカルスタッフが担当しています」と胸を張る。20名が加工に勤しむ製造現場には、社歴約10年の熟練工が7、8名在籍しているという。
開発速度が非常に早い業界において、将来的にレーザー加工技術の導入も視野に入れている同社。「日本で実用化されたばかりの新技術ですが、導入すれば従来の約20倍の精度が実現できます」(小島氏)。常に業界の最先端を走り、新しい価値を製造業界に与え続けている。
- ①ピラーの金型に施されたシボ加工。高低差をつけた3、4層のレイヤーを組み立て、金型の表面を腐食させることでテクスチャを再現する
- ②ステッチが施されているように見える部分も、シボ加工によって成型されている
- ③メンテナンスに用いるレーザー溶接機
- ④「日本人よりも手先が器用」と伊藤氏も太鼓判の製造スタッフたち
- ⑤セールス担当の小島氏(左)と、現場管理を担当する伊藤氏
- ⑥豊富な商品知識を持つセールスを含む総勢36名が勤務する
※この情報は2017年10月現在の取材を元にしています