山田マシンツール(タイランド)
特殊工具及び工作機械周辺機器の輸入販売、刻印機等の輸入製造販売
リコール被害を最小限に止める“刻印”
安心を担保するための老舗の技術力
刻印機の製造販売及び機械工具などの販売を手掛ける山田マシンツール(東京都)。現地法人は2009年4月に設立。タイでは、特殊工具の販売などを行うが、主力は刻印機で、単体の販売から設備までを請け負う。現在、FAのラインに組み込む刻印機の需要が高まっているという。
「製品のリコールが起きても、マーキング(刻印)によって日時、場所などが特定できれば、回収は最小で済みます。しかし、マーキングがなければ原因を突き止めることができないため、被害が何十億円となることもあります」と話すのは、自らも現場で刻印の重要性を訴えている山田晴久社長。
タイでは、トレーサビリティ(製品情報追跡)システムが浸透していないのが実情であり、「何を保証するのか」「そのためにどうマーキングするのか」が適切に検討されていないことが多いという。ましてや輸出が増え続けるタイにおいて、各部品で刻印の義務化が進む可能性は高く、需要はますます伸びるとみられる。
同社は老舗だけに特殊な金属への刻印も可能で、その高い技術力はいくつも特許も取得するほど。また、最大の強みは、最も厳しい保安基準が要求される自動車メーカーを顧客として40年に渡り蓄積してきたシステム構築のノウハウにある。「工場によっては、必要以上に高価な機器を使用していたり、逆に価格優先で肝心の“確実性”が保証されていないような設備が散見されます。本来の目的とは何か? それを満たすためのシステムを作り上げます」と山田社長。刻印という責任の重さと重要性を熟知するからこそ出てくる思いなのだろう。安心を担保しながら製造に注力するための刻印は、モノづくり現場で必要不可欠な存在である。
※この情報は2016年03月現在の取材を元にしています