山善(タイランド)
工作機械、機械工具、測定機器などの販売・サポート
製品価値を高めるための測定機の需要が増加
METROLOGY DIVISIONの立ち上げ
自動車や家電関連などメーカーの進出が続くタイ。当地で最大手の総合機械商社、山善タイランドは、最近の市場の変化を敏感に感じ取っている。売りっ放しでも注文が殺到した時代から、据付・総合サポートといったトータルソリューションサービスに営業の中心が移ったのは10年ほど前。
「生産した製品の価値を裏付けるための測定機器の需要が増している」と語るのは同社の安野研一GM。ミクロン単位まで加工できているか、品質・精度に問題はないか、こうした最終チェックの段階で測定機器が活躍を始めている。
3年前には新たに、測定機器需要に応えるための新部署「METROLOGY DIVISION」を設置。本社1階にそのための測定・検査ルームを開設した。製造最大手ミツトヨ社製測定機器のテスト操作も可能。だが、1台が高額な測定機を自社で購入できるローカル企業はまだ少ない。そこで同社は昨年から、完成後の製品について精密測定を代行する「有償サービス」を実施。拡大する需要に応えてきた。「生産最終段階の測定プロセスとしてご利用いただけたら」と安野GM。
市場が高度化、高品質化を求める中で、今後も測定の需要は高まっていくとみている。このため測定機器で計測される数値が基準値に対してどの程度の誤差があるのかを測る「校正」のライセンスもタイ国内で順次、取得していく計画だ。
まもなく測定工具についてのライセンスが得られる見通しだが、ここまで来るのに2年を要した。最終的な目標は、三次元測定機の校正ライセンス取得である。