横河電機(タイランド)
制御・計測機器等の開発・製造・販売
測定機器でもワンストップサービス
世界初8チャンネル波形測定器を販売
現在は制御機器事業を売上の柱とする横河電機だが、創業以来の主力製品である計測機器についても高品質・高性能として市場からの評価は高い。タイ中部パトゥムターニー県にある米EMS(電子機器受託製造)企業ファブリネットの工場には、光ファイバーケーブル計測等のための測定器Optical Spectrum Analyzer(OSA)がこれまでに累積100台以上が納品され、出荷を待つ製品の最終チェック作業に充てられてきた。
出荷先は、インテル、シスコ、フジクラ、古河電気工業など名立たる電子通信関連の優良企業。世界の通信インフラの基礎がここタイで生み出され、その信頼性を同社の測定機器が支えてきた。それだけではない。同社が開発した端末測定器OTDRは、オフィスや一般家庭まで敷設された高速通信網が正しく速度を伝えているかを検査するのに欠かせない機器。タイでは通信大手AISなどに納入され、現場で威力を発揮している。高速通信機器機材の生産=入口からエンドユーザー=出口まで、自社内でサービスを完結する「ワンストップサービス」の精神がここでも生かされている。さらに、タイ・オリックスとの契約において、計測器のリースビジネスの協業も始めた。
電圧の変化を測定するオシロスコープの分野でも同社製品は圧巻だ。3年前に開発され、昨年からタイ市場でも販売が開始されたオシロスコープDLM4000は、世界初の8チャンネル搭載機。従来、4チャンネルしかなく、2台を併設し同期しながら使用していたのを1台で賄えるようにした。「産業界に貢献する」が理念の同社。こうした動きから当分、目を離せそうにない。